タターサルシファカを見に行こう!

タターサルシファカとは?



写真をクリックすると動画が見れます(再生時間15秒)
注意! ファイルサイズが1.4MBと重いのでダウンロード時間がかかることがあります。


学名 Propithecus tattersalli
英名 Golden-Crowned Sifaka,Tattersall's Sifaka

タターサルシファカは1982年に著名な動物学者であるIan Tattersallによって初めて報告
されました。体長はおおよそ50cm、体重はおおよそ3.5kgです。頭や肩に金色の毛が生えていて
大変きれいです。
生息地は北部マダガスカルのごく限られたエリアで推定生息数は6000-8000頭です。
マダガスカルのレムールの中でも絶滅の可能性が非常に高くIUCNのレッドリストで絶滅寸前種に
指定されています。

まず現地へ行こう!

まずは、このレムールを見ることのできる地域、ダライナ(Daraina)方面を目指します。
最初に見に行く時期を考えましょう。このタターサルシファカのいる地域は雨季が長いので要注意です。
乾季の方が道路などの条件が良いので乾季を選びましょう。お薦めは6月から10月です。
この地方は1〜3月はサイクロンの襲来の可能性が高いので控えましょう。

それから、現地の人と交渉がありますのであなたがフランス語に堪能でなければサンバヴァで
ガイドを雇うことも考慮してください。目的地ダライナでは英語を話せる人がいますのでガイドが
いなくてもどうにかなるかもしれませんが、あてにはなりません。

行き方はまず北東部海岸のサンバヴァ(Sambava)までアンタナナリヴから飛行機で飛びます。
そこから、北のヴォエマール(Vohemar)まで車で移動します。この道路は舗装されています。
サンバヴァからは北のタクシーブルースステーションからヴォエマール方面へはたくさんの
タクシーブルースが出ていますし、お金に余裕があればレンタカーを借りて行ってもいいでしょう。
移動時間は約3時間です。
ヴォエマールからはアンビルーベ(Ambilobe)方向へ向かいます。ここからはダートになります。
なお、雨季は泥道になりますので非常に時間がかかることを覚悟しましょう。この道は他の地域と
サンバヴァ地域を結ぶ唯一の道ですのでたくさんのタクシーブルース、トラックが走っていますから
車を拾うことは難しくないと思います。
道路が良ければ約3時間でダライナの町に着くことができます。悪ければ、何時着くかはあなたの
運次第です。

お金が無いのでタクシーブルースで行こうと思っているあなた!ここにタクシーブルースで来るのは
止めといたほうがいいです。少なくてもタナから4日間悪路を揺られながら来る覚悟は必要です。
雨季には来る事さえ多分できないでしょう。サンバヴァまでは飛行機がいいですよ。

タターサルシファカを見に行こう!

タターサルシファカのいる森にあなたを案内してくれるところは2ヶ所あります。
まずダライナの町の手前10kmくらいの所にAntsahampanoという小さい村があります。そこの村人が
管理している森にいますので案内してくれます。まず、村長に丁重にお願いして森まで案内してくれる
人を紹介してもらいます。お土産は忘れずに!高いものでなくていいですが、役に立つものがいいでしょう。
僕は手回し充電式のライト、カメラの電池、フィルムをお土産として渡しました。
森は車で5分、歩いて30分くらいの所にあります。それほど、大きくない森です。この地方は森は
パッチ状に残っていて、その残された森にタターサルシファカが生息しています。

もうひとつの案内してくれるところはダライナの町で、その周辺の森に詳しい少年を雇って案内して
もらうことです。私が連れて行ってもらったのはダライナの町から4WDで20分ほど行った森です。
ここでは金を掘るための人が入っていてあちこちに穴があいてました。

2つの場所では共に2〜3時間ほど回って1グループづつ見る事ができました。また、現地にいた
スペイン人の研究者グループも一日で2グループほど見れたと言っていましたので確率は高いと思います。
専門のガイドは現地にはいませんので、間違いなく案内してくれるとは限りませんが。

その他

・宿泊
サンバヴァにはいいホテルから安ホテルまでいろいろあるので大丈夫と思います。

ヴォエマールはSol y merがいいでしょう。一泊1500円くらいです。ここのオーナーはコンピュータ
アーチストで、アンバー山国立公園のビデオや地元のミュージシャンのプロモーションビデオも作って
います。なお、ここのホテルでは電子メールを送るサービスも行っています。
他にも安宿がいくつかあるはずです。

ダライナは幹線の宿場町という雰囲気であり、宿泊施設はいくつかあります。私は特別にお願いして
Escale du Nordという雑貨・食堂の客間に泊めてもらいました。きれいな部屋で一泊約250円です。
ただし、蚊帳は無いので自分のを持参するか、蚊に刺されないようにする注意は必要でしょう。
店の女の子(英語を話せる)は「Mosquito?Many,many!」と言っていました。

・注意事項
森の中は結構乾燥していますので火気に注意してください。タバコを吸いながら歩くなんていうのは
もっての他です。ここは世界的に貴重な場所です。

山の中を歩くわけですから枯れ木をまたいだり藪の中を歩くことがありますが、くれぐれもさそり、
ムカデに刺されないように注意してください。また、足元など注意して怪我などをしないように。



これを読んだ皆さんが興味があるようでしたらぜひとも見に行ってあげてください。ここは国立公園でも
保護区でも何でもなく、この貴重なレムールは現地の人によってのみ守られています。
Antsahampanoの村長は「私達はこの森を守ることによって、ここに観光客を呼びたい。そうすれば、村も
潤うし、自然も保護できる。」と言っていました。
また、ここにはたくさんの鳥、変わった植物も見られますので、そちら方面に興味のある方もどうぞ!


読み物: タターサルシファカを訪ねて
(マダガスカル研究懇談会ニュースレターSERASERA第5号掲載)

参考(英文)
書籍:CONSERVATION INTERNATIONAL"Lemurs of Madagascar"、著者 Russell A.Mittermeier等、1994
ホームページ:http://www.animalinfo.org/species/primate/proptatt.htm


戻る